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『キャロル』

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ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの『キャロル』を観ました。観るまで知らなかったのですが、クリスマス映画だったのですね。

 

実を言うと数少ない苦手な女優さんの1人がルーニー・マーラなのですが、本作の彼女はとても良かった。あどけなくて青い女の子をしっかりと演じ切っていた。

 

そもそもなぜ私がルーニー・マーラが苦手かというと、どこか諦めたような、世間を冷たく見ているような、そんな雰囲気が彼女から出ているように見えるからです。『Her』でも『サイド・エフェクト』でも、それが演技の壁を越えて私の目に写ってしまっていました。

 

でも本作では彼女の"怖さ"が一切なかった。未熟で可愛らしい女の子をしっかりと演じていて、上手な女優さんなのだなあと思いました。

 

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ケイト・ウィンスレットの、影を秘めた、しかし包容力のある瞳も良かった。母・妻としての疲労を秘めながら、テレーズを丸々包み込んでしまう暖かい瞳。テレーズがあどけないだけに、2人のコントラストが映えていました。

 

物語は恐らくハッピーエンドで終わるのでしょうが、一部始終ずっとすごく切なくて、季節が冬ということで全編通して寒々しいし、心の中はずんと沈みっぱなしでした。

衣装にしても、物語にしても、すべてがうまく混ざり合うには冬がぴったりだったんでしょうね。登場人物たち、特に女性陣のお洋服が素敵でした。

 

最後に、キャロルに関して思ったことをひとつ。

私はキャロルはずるい女性だと思います。寂しさを手前のもので埋めてしまうような、テレーズを振り回し今後も振り回していくような、そんなずるさを私は感じました。娘を手放した母親としてのキャロルは勇敢とも取れるのかもしれませんが、キャロルの発した「何が私にとって最善なのか分からない」という言葉が胸に響きます。